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課題 : 「GROW LIFE」

キーワード : 平面・外観・眺望・配置

スケッチ :   

本文 : 

今課題のように周辺敷地がわからない場合、敷地に基づいた平面形を導くことは困難です。
本提案では階数をアイコン化して平面とし、1階が「1」、2階が「2」、3階が「3」の平面形を積層させて形態とすることとしました。
この手法によって生み出された空間は、バルコニーや吹抜けを有する多様なものになります。
上部まで吹抜けになった部分には、木を植え立体的中庭を形成し、四季の変化が内外の関係性に変化を与えます。
この家は、家族が緑と密接に関わりながら共に成長していく家になります。

工法について:
木造在来工法を用いて1800mm間隔のグリッドで柱を立て、「1」「2」「3」の床を支えることとしました。

配置について:
第一種高度地区の斜線を回避しつつシンプルな矩形の形態を保持するために、建屋を限界まで南西側に寄せました。斜線のかかる北側は駐車場としています。「1」の平面の1階にはピロティ空間に列柱が並ぶ「列柱庭」が形成されるため、これが開けている東側に向くように数字の向きを南北逆にして配置しました。

外構について:
中庭に植える木には、花を咲かせ、実を付け、黄葉し、落葉し、四季の変化がしっかりと現れる「ヒメシャラ」を選択しました。
列柱庭には砂利を敷き、その周囲は芝生としました。駐車場にはレンガを敷きました。道路境界には塀を設けず、列柱庭で道路と程良い距離感を確保しつつ縁側に人を容易に招くことができるように考えました。

外観について:外壁は緑が映えるよう赤錆色のガルバリウム鋼板縦噴きとし、列柱と相乗効果的に縦のラインを強調できるようにしました。単に素材の貼り分けや開口部によって表情を作るのではなく、平面が積層された形態をシンプルに表現したいと思いました。

窓について:
1階の縁側と木に面する外壁のみガラスにしました。内部から外部への眺望は、いつも木を通したものになり、木を通して、閉じながらも開いた都市との関係性を構築します。内部空間同士も様々な位置で視線が繋がり、空間の広がりや家族同士の繋がりを感じさせられるようにしました。


提案 : 

過去に挑戦したCOUNT HOUSEのバージョンアップです。
原案は中庭のある都市の住まいをスタディしている中で出たものでした。
小嶋さんのスペースブロックのような空間構成を、数字と言うアイコン化された平面が積層した状態で表現したものです。

一言 : 

木と共生するテーマのもと、木がボリュームと密接に兼ねあっている状況を何案かスタディした後、COUNT HOUSEで再度挑戦するこに至りました。
様々な点で新たな発見があったので、案をバージョンアップさせることの意義を強く感じることができました。