第1回丸山デザインコンペ出展案>

課題 : 遊び人の家

題名 : 引き込む家

キーワード : 平面・境界

スケッチ :  2 3 

本文 :

遊び人の家庭には趣味が溢れている。
趣味にハマればそのアイテムは増え続けて行くに違いない。
この家は趣味を中心に据えた空間である。
趣味を第一に考える人=遊び人にこそ住みこなすことができる。
1.趣味のアイテムを積極的に居住空間に引き込む。
2.趣味を引き込むと同時に光も引き込む。
3.通り掛かる人を家族と同じ趣味に引き込む。
これらにより遊び人とその家族はまた更に趣味に引き込まれていく。

提案 :

多趣味の人の提案をするにあたって、如何に収納をつくるかがポイントになるだろうと考え、
見せる収納・収納によって空間が変化すれば楽しいなと思っていました。

私は以前より階段下などを不用意にデッドスペースと位置づけて収納をつくっている状況に疑問を抱いていました。
通常の引き出しでは、収まっている時はデッドスペースを埋めているけども、
引き出した時にはそのデッドスペースはやはり使えないスペースとして残っているわけで、
本当にスペースを活用できていると言えるのだろうか?と思っていました。
デッドスペースを活用することよりも、デッドスペースを頑張って見つけて埋めることが重要になっているように思えます。
そこで私は、平面的ではなく断面的に収納することができれば、デッドスペースの無い収納ができるのではないかという考えに至りました。

そうして出てきたリフト型の収納が3階(個室)にある時は個別の収納として機能し、2階(LDK)にある時は見せる収納として機能する、
シーズンによって降りて来る収納が変化し、その収納が降りて来た位置によってLDKのレイアウトが変化するようなものになりました。

また、3階個室はリフト型収納と上手く結びつくような間仕切りを考えたところ、
リフトを取り囲むような回転式の可動間仕切り(扉)が生まれ、
間仕切りの幅によってリフトの大きさ本数が決定されました。

一言 :

収納という課題に対して以前から抱いていた疑問点を考慮することができた点が大きかったように思います。
また、初めて実施コンペに挑戦したということもあって、1つの住宅として成立できるようなものを目指しましたが、
これだけリフトを設けるのが、実施として有り得るのかどうか、コンペだからということでの判断になってしまったようにも思います。
新たな可動間仕切りが提案できた点などは良かったと思いますが、案として詰め込みすぎたかも知れません。
ここでは提案を限定することによって一つを際立たせる手法(俗に言うワンアイデア)よりも、ただいろいろ提案することを重視していました。