<第41回セントラル硝子国際建築設計競技 出展案>  (佐々木大輔と共同制作)

募集HP : http://www.cgco.co.jp/kyougi/

課題 : 既存建築をコンバージョンして都市に住む

題名 : LIVE UNDER THE SAME ROOF (ひとつ屋根の下)

キーワード : 境界・景観 

本文 :

敷地は豊橋駅から南に0.5kmにある分譲住宅地である.
この住宅地全体を市の主幹産業である農業のシンボル「ビニールハウス」で覆い、未分譲の区画を畑として使用することを提案する.
これにより、虫食いのような景観を補完すること・畑で住民が共に農作物を育てることでコミュニティの形成を促すことを試みている.
本提案は既存の建築システム(ビニールハウス)を用いて分譲住宅地の発展プロセスをコンバージョンしたものである.

対象敷地は建売住宅と注文住宅が混在する分譲住宅地である.
注文住宅の敷地は現在空地になっており不連続な景観を晒している.

住宅地全体をビニールハウスで覆う.
未分譲の区画は、埋まるまでの期間住民共用の畑として利用する.
この間ビニールハウスによってファサードの連続性は補完される.

全ての住宅が裁ち揃ったところでビニールハウスを解体する.
コミュニティが成熟した住宅地が姿を現す.

豊橋市の農業のシンボルである電照菊の風景が街を彩る.


提案 :

豊橋市の特徴的な風景「電照菊」を用いてHOUSEinHOUSEを行った提案です。
景観としてのHOUSEinHOUSEの可能性に関心を抱いていたので、一度は挑戦してみたい案でした。
ビニールハウスの仮設性と分譲住宅地の生成プロセスを結びつけましたが、この点が岐路であったうように思います。


一言 :

実際の敷地を設定して提案するアイデアコンペには、いつも頭を悩まされます。
やはり一番理解している場所は、豊橋なわけですが、全国的に見ると地方中核都市の一つでしかありません。
大きく分類すると、東京(多くの建築家がイメージし得る大都市)・京都等(伝統的な都市)・その他(所謂地方)でしかありません。
ウラワザ的に海外もあり得ますが。
東京以外の、その他の場所を主なフィールドとする我々の場合、
@.背伸びして東京に行く(いつまでも背伸びとは言ってられませんが...)
A.地方で何らかのオリジナリティを見つける
B.どこの敷地でも考えられる普遍性のある提案をする
といった選択肢になります。
これは将来地方に身を置くのであれば、一生考えて行かなければならない課題になるので、
フィールドワーク等を積極的に行い、地元の都市に対する知見を増やし、愛情を見出して行かなければならないと思います。