<第2回家・スタイル設計コンペコンペ出展案>

募集HP : http://iestyle.jp/compe2.html

課題 : 団塊の世代に送るこれからの街

題名 : NO TITLE 

本文(800字の設計主旨から) : 

@10年後・20年後の社会
ここ数年、凶悪犯罪が氾濫し、建物に対するセキュリティの強化が求められている。しかしながら、このまま10年・20年が過ぎると、今以上にコミュニケーションの希薄な町が増加すると私は考える。そもそも、家に篭って、カーテンは閉じたまま、外出時以外は屋外に出ることの無い生活が、この問題の引鉄になってしまった筈であるにも関わらず。
そこで本計画では、塀をつくらず、住戸間の境界を曖昧にすること・庭に出る機会を増やすことを目的として、1戸の住宅を分棟で構成することとした。これにより会話や近所付き合いを生み出し、コミュニケーションの活性化を図ろうとする。
人を守るのは、人であり、人が豊かに暮らす町である。特に様々な土地から人々が新たに移り住む分譲住宅地においては、より活発な近所付き合いを促すことが求められている。

A分棟について
通常1戸の住宅に内包されている生活行為が、分棟にし、庭を介することで空間的にも時間的にも不連続になる。その不連続感がこの住宅では、料亭を訪れるように食事を取り、銭湯に行くように入浴を楽しみ、旅館の離れに向かうように床に就く、ような風情を醸し出す。慌しい日々から開放された団塊の世代の人々がようやく獲得できた時間を、日々の生活リズムの中におけるゆとりとして還元し、豊かな暮らしを演出するものとして活用する。

B庭について
日照を考慮して延べ面積は最低限にする。庭には樹木が植樹され各家庭のキャラクターになる。樹木はエクステリア・インテリアとしても効果的であるが、住戸間の境界面としても機能し、開花・落葉・剪定等によってその透過性を変化させる。

C将来計画について
将来的には、死別による単身居住や2世帯居住等も考えられ、家族構成・ライフスタイルの変化に居住空間を対応させることが求められる。この住宅は分棟であることで10年・20年先でもサステナブルに居住することを可能にしている。

D景観について
団塊の世代の人々の原風景であろう山並みのような景観をつくり出した。